世の中ね、意図に反して伝わることが結構ある。

でもね、今の世の中。本来ならば伝わるべきことが伝わらずに終わってしまうという、

とてつもなく悲しい事態が実は、そこかしこで起こっている。

昔はね、伝わるべきことは、ほぼ、やはり、伝わっていた。残っていた。広まっていった。

なぜかってね、伝わる状態になるコンテンツそのものが少なかったわけで、それゆえに、伝わるべきことは伝わりやすかった。

ブログ?facebook?twitter? そんなものは言うにおよばず、

いったい何個ある?ニュースサイトが?

それをまとめたニュースサイト、他の媒体から引っ張ってきただけのニュースサイトがいったい何個ある?

キュレーション?あなたにオススメの?何かを分析してくれた?

自分の過去から派生できるようなもの?

自分の過去の行動から延長線上でたどり着けるようなもの?

そんなものはそのうち見るだろう。遅かれ早かれ。

伝わっているものはいい。

何かのきっかけで、絡み合ったタコ糸のようなネットワークのソーシャルメディア上を、情報が駆け巡る。

伝わってくる。

あちこちから。

大げさに。

時に大々的に。

伝わってくるもの。

そんなことは意にかける必要もない。そのうち、向こうからやってくるんだから。

そうじゃなくてね。一昔前ならば伝わっていた「はず」のものが、

このナイアガラの滝壺に流れ込む水流のごとく、湧いては消える。そんな情報に埋もれちまう。

そんな危機が実はあるんじゃないの?

本屋にいきゃあ、プレゼン術?この先未来はどうなる?投資術?国が破綻したらどうなる?お金持ちの法則?本当のマーケティング?人生を変えるいくつかのこと?3つ?7つ?77?

特に読みたいものがない。

1000冊並んでても、せいぜい5種類の情報しか落っこちてなかったりするこの頃。

そんなんじゃなくてね。一昔前ならば伝わって「いなければ」ならなかったものがさ。

本物ってやつがさ。

誰も意図しない流れのなかで、蟻地獄の中心に向かって無尽蔵に砂が流れ落ちてなくなってしまうように、消えちまってる。

そんな感じがするのさ。

一昔前ならば伝わっていた「はず」のものが、来なくなった。

網の目の隙間から滑り落ちていく。

高層ビルの隙間に漂うビル風に吹き飛ばされていく・・・